ゆーとの読解力

片田舎の物書きになることを夢見る童顔

【心得】あなたがサブリーダーとして空回りしている理由は、対内的には〇〇で、対外的には〇〇であるという基礎的な組織論をわかっていないからである。

無能な「サブリーダーさん」の日常

組織にいると、サブリーダーの地位にいる人が当たり前のようにオフィスの端に鎮座されていますが、このサブリーダーという地位を誤って解釈している人が実に多い、ということがわかります。

部下「ここ、こうした方がいいと思うんですが、どうでしょうか。」

サブリーダー「決定権は〇〇リーダーにあるんだから、〇〇リーダーに聞いてよ。」

他部署スタッフ「このことについて、聞きたいんですが。」

サブリーダー「あ、担当者は〇〇さんですから呼んできましょう、〇〇さーん。」

他に振るのが自分の仕事と思っている「サブリーダーさん」。

「それじゃあ、あなたは何の仕事をするの!?」

とツッコミたくなりますよね。

その問いについて、その「サブリーダーさん」は、きっとこう答えるでしょう。

  • 「私は、〇〇リーダーに万が一のことがあった時に―。」(※リーダーの代役)
  • 「〇〇リーダーから相談があった時に―。」(※リーダーの相談役)
  • 「君たちから相談があった時に、リーダーに取り次ぐ―。」(※スタッフの相談役)

…ほうほう。

サブリーダーって、随分と楽な椅子なんですなあ…。

無能さをさらけ出すサブリーダーさんに、私たちは呆れを通り越して、思わずほくそ笑んでしまいます。

本日は、サブリーダーとは何かということについて、言及したいと思います。

サブリーダーが「代役」とか「相談役」とか思っている場合は、まず、「組織」とは何なのかということがわかっていない。

伝統的な組織論において、組織は、リーダーとフォロワーにわかれると言われています。

そして、現代の日本社会においては、リーダー、サブリーダー、一般スタッフという職階があり、リーダーをサブリーダーが助ける、という形になっています。

では、サブリーダーとは何者なのか。

  • リーダーなのか。
  • 一般スタッフに近い立場なのか。

答えは明確です。

  • 対内的にはリーダー
  • 対外的には一般スタッフ

え?

どっちかというと、リーダーじゃないの?

と思った方は、まず「代表権」というものを勉強する必要があります。

対外的には~組織は代表者によってのみ代表される。~

簡単に説明しておくと、株式会社の場合、株主によって取締役が決められるわけですが、その中でも代表権を持つ者を「代表取締役」とし、株式会社の意思決定者として組織の頂点に据えることになります。

社長とか、副社長、専務や常務といった役職は、正直、第三者からしてどうでもいい。

誰が代表権を握っているのか、誰の合意があればその会社と合意したことになるのか知りたいのです。

したがって、契約時においては、代表権を持つ代表者の名前で契約するわけですが、大きな組織になるほど、代表者が全てのモノを見ることなどできるわけがありません。

そこで、部署を作り、長を置き、彼を自然人として判断するできるよう「権限を委ねる」わけですね。

これにより、狭義のリーダーが出来上がります。

では、サブリーダーとは何なのか。

サブリーダーには、基本的に代表者から「決定の委任」を受けていないので、決定権がありません。

したがって、対外的には一般スタッフです。

ところで、対内的にはどうでしょう。

対内的には、リーダーに対する提案者

対外的には代表者が重視されるのに対し、対内的には役割分担(ロール)が重視されます。

では、サブリーダーのロールとはなんでしょうか。

  • リーダーの代役?
  • リーダーの相談役?

もし、そんな生易しい考えを持っているなら、捨ててください。

  • リーダーの代役とは有事(緊急事態)の時であり、
  • リーダーの相談役とは平時の立ち位置を表現しているにすぎません。

つまり、リーダーの代役とか相談役かどうかは、緊急事態かそうでないかの違いであり、全く本質的なことではありません。

では、サブリーダーのロールとは何なのでしょうか。

答えは、内部の調整役です。

多岐に渡る各部署を調整し、決定者が決定できる状態に持っていくこと、即ち、決定者に対する最終提案者なのです。

何かの代役とか相談役とか、そんな脇役では決してありません。

組織に「脇役」という余分なものは、全く必要ないということを全く分かっていないのです。

もし、あなたが部下から信頼されていないと感じているのなら、それは、決定者に対する提案者としての立ち位置に不安視されているのかもしれません。

どうしてサブリーダーは脇役というイメージなのか。

「いやいや、決定権は〇〇リーダーにあるから。」

「あ、担当は〇〇さんですから。」

―それじゃあ、あなたは何の仕事をするの!

と突っ込みたくなるこの現象。

そもそも、どうしてこんな現象が発生しているのでしょうか。

一つは、「副」という文字に原因があるのかもしれません。

「副」とは「副える」ということ。

つまり、二次的であるということ。

「お茶碗に手を添える」

支えるという印象は、日本人にとって日向に対する陰であり、陰であることが美徳であることから、裏方のイメージが着いたのかもしれません。

しかし、それとは別に、もう一つの理由があるように思います。

サブリーダーは所詮補佐役という認識の発生点

日本におけるサブリーダーが楽な椅子であるというこの現代の誤った認識は、終身雇用制度によって、後押しされました。

会社は、無能な社員を簡単にクビにはできないので、どこか適当なポジションで養い続けるしかない。

結果、サブリーダーというポジションだけ与えて対外的な責任を持たせず、リーダーにフォロワーを直接指揮させる―サブリーダーの役割も同時に負わせる―という無理やりな方法を採るようになります。

これが現代でもなお無意識に存在する江戸時代、明治時代と脈々と受け継がれていた階級社会意識と混ざり合い、

リーダー格は高級であるわけだから、

サブリーダーは日ごろは一歩下がってリーダーを立てるのが美徳であり、

その本領は非常事態の対応にあるので、

非常事態が起こるまで(リーダーに呼ばれるまで)何もしなくてよい

という誤った認識を産むことになりました。

でも、日常、何もしない人が、非常事態にその真価を発揮できるかといえば、

推して知るべし。

ですよね…?

人口減少時代の到来によって、無能なサブリーダーは駆逐される。

しかしながら、人口減少社会においては労働力の減少も顕著であり、そのような人材をいつまでも会社が「養いつづける」というのは困難です。

さらには、「労働力の流動性」が、社会的にも少しずつ認められつつあります。

すると、無能なサブリーダーは駆逐されていくのでしょう。

では、無能なサブリーダーにならないためにはどうするべきなのか。

意外に簡単です。

自分がリーダーだったらどうするか、ということを考え行動すればいいだけです。

一つの組織を率いる人間として、対外的に、どう判断するのが適切とされるのか、 そのために対内的にはどうすれば混乱なく効率的に組織運用ができるのか、絶えずそれを考えるということです。

サブリーダーは、自らをリーダーと一体であるという意識を持ち、そして、リーダーになる前の準備期間と割り切りって、その行動は対外的にどうか、対内的にどうなのかと、都度自問自答しながら行動しましょう。

ここで、注意しなければならないことは、自分の力を過信しないことです。

サブリーダーが陥りやすい状況として「傲慢になりやすい」ということが挙げられます。

何故かといえば、サブリーダーの対内的な地位は、内部のみ通用するわけですが、裏方、縁の下の力持ちという役割に自然となってしまうため、注意しておかないと、身内に対して高圧的になりやすい傾向にあります。

しかし、振り返って考えてみると、たとえ指揮系統上部下であっても、サブリーダーの地位は組織から与えられているものに過ぎず、身内にしか通用しないので、サブリーダーの名刺をもらった瞬間から、相手はこんなことを考えているはずです。

「この人には、決定権がないんだ。」

決定権がないというのは、組織から半ば「信頼」されつつも、対外的な顔として、「信用」はされていない、その程度の相手である、ということです。

「リーダーからスタッフを借りている」という意識をきちんと持ち、未来のリーダーとして活躍できるよう準備しましょう。

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