ゆーとの読解力

片田舎の物書きになることを夢見る童顔

【六韜】試してみたい人物像モニタリング~信用できる人間かどうかを探るために役立つ、いにしえの知恵~

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現代人にも求められる「六韜」という書物の知恵

社会人が頭上を見ると、あちこちに「綺麗ごと」が飾ってあるものです。

通称「大人の対応」。

そんな表面上の付き合い方って、社会人にとってはいずれも必要な知識ですよね。

でも、ビジネスに必要なこの知識が、かえって邪魔になるときもあったりします。

―例えば、本音で語り合いたいとき。

相手が本音で語り合える人物なのか、信用できる、信頼できる人間なのか、ちょっと迷うときってありますよね?

「相手が本当はどんな人か、わかってない…。」

「相手の本音、本性、本当の姿が知りたいんだ!」

そんなことを思う時、役立つ知恵があります。

六韜」という、彼の有名な太公望呂尚が書いたと言われている書物からの出典ですが、原文のまま書いてしまうと、専門的なところで色々突っ込まれそうなので、自分なりに解釈したものを掲載させていただきます。

あらかじめ御了承ください。

六韜の内容を砕いて、わかりやく箇条書きにしてみた

今回紹介する「六韜」の著者、太公望呂尚は、中国初期の王朝、周王朝を興した文王、武王の片腕として手腕を振るった軍師ですね。

有名なところで封神演義という物語の主人公でもあります。

書物自体は本当に本人のものかはかなり怪しいようですが、役立つ知識なら真偽は問題ないでしょう。

さて、箇条書きとしましたが、かなり砕けた言い方でまとめましたので、気になった方は原文を探してください。

  • 質問してみて、その人の理解力を観る。
  • 追求してみて、その人の対応力を観る。
  • 悪い誘いをして、その人の誠実さを観る。
  • 秘密を伝え、その人の徳性を観る。
  • お金を管理させて、その人の清廉さを観る。
  • 誘惑して、そのひとが欲望に弱い人かどうかを観る。
  • 難題をぶつけてみて、その人が勇気があるかを観る。
  • 一緒に飲んで、その人の本性を観察する。

いや凄い。

書いていることが凄く具体的です。

著者が人物を、物事をいかにきちんと見つめようとしていたか、どれだけ優れた人物なのかが見て取れますね。

私は、学生の時は何とも思いませんでしたが、それから約10年経って、

「なるほどなあ、金言だなあ」

と感心できるようになりました。

まあ、悪い誘いやらなんやらと、やるにはリスクを伴うし、堂々真正面から相手を試すようなことをやってしまうと嫌われる人になること確定ですが(笑)

文章がいまいちピンとこない場合は、文章を弄ってみる。

ところで、さっきの文章を観て、頭にクエスチョンマークが浮かんだ方もいるのではないでしょうか。

「よくわかんないな…。

ピンとこない」

そういう場合には、文の前と後ろを入れ替えると、読みやすくなることがあります。

  • その人の物事に対する理解力を知りたいなら、色々質問してみればわかります。
  • その人の咄嗟の場合の対応力が知りたいなら、会話している中で気になった部分を捉えて無理やり追及してみるとわかります。
  • その人の誠実さを観るには、わざと悪い誘いをしてみるとわかります。
  • その人の徳性は、秘密を伝えた時の反応でわかります。
  • その人が清廉な人かどうかは、お金を管理させてみるとわかります。
  • その人が欲望に弱い人かどうかは、誘惑してみるとわかります。
  • その人が勇気があるかどうか知りたいなら、難題をぶつけてみるとわかります。
  • その人の本性は、一緒にお酒を飲むとわかります。

さらにピンとこない人のために、もう一段、解説してみます。

さて、さらに、ピンとこない人のために、私が思う簡単な例・解説をつけておきます。

  • 色々質問してみて、相手が急に黙り込んでしまうようなら、相手は理解できていません。
  • それなりの時間を取り、図を書いて説明しているのにも関わらず、反応がいまいちであるなら、その人は、理解力が乏しい人かもしれません。
  • 話の途中で色々突っ込んでみて、リアクションが弱かったり、思わずブラックジョークで返してしまう人なら、その人は緊急事態が起こった時、迅速で適切な対応ができない人かもしれません。
  • 早く帰らなければいけないのに、ちょっとだけだと居酒屋やパチンコに誘ってついてくるようなら、その人の誠実さにはちょっと警戒する必要があるかもしれません。
  • 「実は自分は…」と言ってみましょう。その返答次第で、相手のことが見えてくることがあります。
  • お金の管理は、何も仕事の金銭に限らなくてもいいと思います。親睦会費とかでもいい。とにかく、会計が明瞭で金額が合致するかが、その人の人柄に気づけるポイントになると思います。
  • 人生には様々な誘惑がありますね。誘惑についつい乗ってしまうような人とは一緒に仕事をしたくないですね。いずれ相手の失敗から、こちらの足元をすくわれそうな気がします。
  • 難しい業務を与え、「必ず達成して欲しい」と告げ、その表情を見ましょう。そんな時でも、落ち着いた表情を見せる人は、きっと勇気がある人でしょう。
  • お酒を飲んだ時には、その人の本音が顕れるものです。

8番ですが、念のために言っておきますけど、現代人の常識で、他人に無理やりお酒を飲ませるのはやめましょうね。

休日に、古(いにしえ)の知恵を学ぼう

というわけで、このように、現代に通じる知恵もあり、昔の本だからといって馬鹿にすることはできません。

また、中国の文章は実はとてもリズムカルで、読んでいくことで文書力がつくこともあるので、何かの機会に読んでみるのもお勧めです。

以上、古の知恵を借りて現代社会を生き抜いていく、というテーマでお送りしました。

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